不登校の現状から考える最適な支援方法

2021年10月、文部科学省は

「不登校と認定された小・中学生は、19万人を超え、最多人数を記録した。」

と発表しました。

少子化で子どもの人数は減っている

にも関わらず不登校の人数は増えていっています。

実際のリアルな不登校の人数、不登校になりやすい時期、我が子が不登校になった場合、どうすればいいのでしょうか?

目次

不登校の現状

不登校の人数

文部科学省発表 令和2年度 学年別不登校の状況より引用

小学生では63,350
中学生では132,777人(1クラスに1人は不登校がいるという割合)

8年連続で増加傾向にあり、考えるべき課題が非常に多いのが現状です。

※新型コロナウイルスの感染回避を理由に登校をしていない場合も不登校になりますが、この数字の中には入っていません。

不登校の要因は【学校との関係、家庭との関係、本人による理由

◎学校との関係
・いじめ
・友人関係(トラブル、性格の不一致)
・教師との人間関係(性格の不一致)
・成績不振(学年が上がり、成績が著しく低下したことによる不安)
・進路による不安(成績不振からくる将来への不安)
・部活動などへの不適応(チームメイト、顧問との性格の不一致)
・入学、進学、転校、進級などによる不適応(新たな環境に馴染むことができない)

◎家庭との関係
・家庭環境の急激な変化(両親の離婚、死別など)
・家庭内不和(両親の夫婦喧嘩、著しく激しいきょうだい喧嘩など)
・親子の関わり方(思春期で言葉遣いが荒くなり、親が腫れ物を触るように接するなど)

◎本人による理由
・起立性調節障害
・無気力、不安(漠然とした将来への不安、自分自身の存在意義がわからないなど)
・生活リズムの乱れ、非行(ゲームやスマホが原因で朝起きることが難しくなるなど)

不登校の子どもたちひとりひとり、学校環境も家庭環境、性格などが違う
→誰しもが不登校になる可能性は持っている

不登校になりやすい時期

不登校になりやすい時期

長期休み明けは不登校になりやすい時期でもあります。
4月(春休み明け)5月(ゴールデンウィーク明け)9月(夏休み明け)1月(冬休み明け)など、長期休みから明けるタイミングで体調不良を訴えるなどして、精神的に不安定な状態となり、そのまま不登校になることが多いと言われています。

◎不登校になる前から予兆はある

長期休み明け以前から学校での人間関係家庭内の不和生活リズムの乱れなどが生じており、ストレスフルな状態で無理をしている可能性が高いです。ある程度頑張って我慢している状態で長期休みに入り、ストレスフルな状態からある程度解放されてきます。

休み明けの前日や当日の朝が来るのがとても憂鬱な状態となってきます。頭の中では「本当に学校に行きたくない」「行ったらまたいじめられるかもしれない」「明日が来るくらいなら…」などとどうにか明日が来ることを回避しようとするため、体調不良を訴えることがあります。

この欠席がトリガーとなり、不登校になっていくことが多いです。

4月は不登校から復帰しやすい時期でもある

4月は不登校から復学しやすい時期でもあります。

その理由として、新しい環境となっていることが要因として挙げられます。新年度で、新学年となり、メディアも世間も心機一転して頑張ろう!という雰囲気が増えてきます。そんな雰囲気を不登校の子どもさんも敏感に感じとります。

新学年となったら、クラスが変わったり、学校が変わったり(進学)などで「みんなと同じスタートだ」という気持ちになりやすく、そこから学校復帰に繋がりやすくなってきます。

もし、我が子が不登校になったら…

いざ、我が子が不登校になったら、大多数の方がちょっとしたパニックになると思います。
それは至極当然のことだと思います。なぜなら、大多数が「我が子が不登校になるなんて思わなかった」という思い込みをしているからです。

では、実際に我が子が不登校になった場合、どのような行動を取ればいいのでしょうか?

ステップ①まずはゆっくり休ませる

まずは子どもの意思を尊重して休ませてあげてください。体調不良でない場合も休ませてあげるようにしてあげてください。そして、体調不良ではない場合は理由を聞かない。理由がなくとも「学校を休みたい」と親に伝えることは子供にとってとても勇気のある行動です。まずは子どもの意思を尊重し、休ませてあげてください。

ステップ②家が安心できる場所だと認識させてあげる


次のステップとして、家が安心できる場であることを認識させてあげてください。休みたい理由を聞きたくなる理由はとてもわかります。しかし、子どもさんも今は話したくないと思ったり、親を心配させたくないと思ったりしています。
そんな状態で、「どうして休んだの?」「いじめられているの?」などと聞かれるのは子どもさんからするとたまったもんじゃありません。
家のリビングにいると落ち着いて休むこともできないとなってしまい、家の中が安心できない環境になってしまいます。そうなると、最悪の場合は家族ともコミュニケーションを取ることをやめてしまって、自室に塞ぎ込んでしまう場合があります。なので、まずはゆっくり休ませることを最優先としてあげましょう。

ステップ③数日休みそうな場合は学校に連絡


数日休む可能性が見えてきた場合には、学校に連絡し、しばらく休むことを伝えておきましょう。学校も心配となって家庭訪問を検討すると思います。子どもが望む場合には、家庭訪問を実施することもいいと思います。しかし、子どもが望まない場合は家庭訪問を断ることをお勧めします。学校、教師などに敏感となっており、先生が来るとなるとパニックになる可能性があります。また、毎日欠席連絡することは子どもも保護者の方も負担がかかります。なので、「行くときに連絡します!」と伝えておくのも、負担を減らす1つのテクニックになります。

ステップ④家の中で役割を与える


家の中で、ボーッと過ごし、体を休むこともいいと思います。しかし、いつまでも家にいては子どもも退屈してきます。でも、学校に行こうともしない場合には、勉強以外の役割 洗濯、簡単なもの朝食作り、洗い物など負担にならないものを与えてあげることが重要です。家族という社会の中で、腫れ物に触るように扱うのではなく、役割を与えてあげることで、子ども自身の存在意義を認めてあげることはとても大切なことです。そして、やってくれたことに対しては「ありがとう」と伝えることも忘れないようにしておきましょう。そうすることで徐々に自己肯定感を上げられるようになります。

ステップ⑤学校、スクールソーシャルワーカー、公的機関などに相談する


長期的なものになってくると保護者の方も心配になってくると思います。学校も同じように心配してきます。時期を見ながら学校やスクールソーシャルワーカー、児童相談所などの公的機関などに相談するのもいい頃でしょう。ただし、学校の中には、とりあえず学校に復帰させようとする時があります。そういった場合は断る方がいいです。とりあえず学校に登校させたとしても、子どもが望まない場合には、苦行にしかなりません。慣らし登校というものありますが、悪影響になりかねないです。ただし、子どもが学校復帰を強く望む場合は例外です。

ステップ⑥次のステージをどうするかを考える


学校復帰以外にも子どもさんが輝くステージはあります。教育支援センター、フリースクール、復学支援企業に依頼、別室登校など様々なステージがあります。子どもさんが将来どうなりたいのか、保護者の方の願いなど様々な要素を摺り合わせた上で子どもさんに合った居場所を見つけて、次のステージを見つけてあげましょう!

子どもの意思を最優先にし、親の意思や願いを押し付けないようにすることが大切です!

このやり方はあくまでも筆者の意見です。子どもさん、お家の方などの意思や想い、願いを大切にして、これからの支援に繋げていけるといいですね!

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